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リッチー・リッチ(1994年:アメリカ) 最近増えてきたように思うんです。英語字幕放送。吹き替えより、だいぶ面白いですね。英語の勉強にもなるし。勉強してないけど。 こういう映画は、細かいところにどれだけ凝れるか、が勝負のような気がします。ストーリーが単純で、結末が見えてるだけにね。 会社乗っ取りに一度は成功した悪徳役員が、社長室で見ていたテレビが、ヒッチコックの「北北西に針路を取れ」。なんでこんな映画?と思ってたら、ラストの追っかけあいは、その映画のまったくのパロディでしたね。そういう伏線かあ。 一つ一つのセリフも考えられていて、こういうの、ハリウッドはうまいなあ。日本映画のコメディはこれに比べるとちょっとねえ。 大富豪の御曹司ゆえの孤独も(下町のこどもと、なかなか一緒に遊べない)、ちょっとは描かれていて、「かわいそうにナアー」と思うところもありました。が、カルキン君が主演ではねえ。「ホームアローン」で人気が爆発したけれど、この映画を見るかぎり、そう演技がうまいわけでもなく、美男子でもなく、といって崩れきってもいない。うーん、なんなんでしょ。つまりはコメディに向いていないってことなのかなあ。 いまやハリウッドの問題児。彼の私生活をふと考えると、悲しい映画に思えてきたりします。そんな見方、するなって。 (2004/11/12) 戦場のピアニスト(2002年:ポーランド・フランス) テレビで見ました。 あざとい演出もほとんどなく(ただ1シーン、ドイツ人将校の前でピアノを弾くシーンは、ちょっと演出しすぎかなあ・・・)、「戦場のピアニスト」といいつつ、ピアノを弾くシーンもほとんどなく。だいたい「ピアニストとしてどう生きたか」なんてことはまったく問題になっていなくて、ひとりの人間の、戦場での生き残り劇として、実に迫力ある画面で迫って来ていましたね。 いつのころからか、映画に「リアルさ」っていうのが求められるようになって、映画を作る方もその「リアルさ」にこだわる人が増えたような気がするけれど、「リアルさ」って何かなあ、って思ってしまう。 「戦場のピアニスト」のリアルさは、そういう映像のリアルさもさることながら(本編が始まる前に、子供に見せる時に配慮してほしいというメッセージを流したのは正解やったと思う)、なによりもエライと思ったのは俳優の演技でした。やっぱり映画は役者で、演技で面白さが決まるのかも。 (2004/12/13) ロード・オブ・ザ・リング−二つの塔−(2002年:アメリカ) これは、劇場で観たな。たしか香港で(^◎^;)。 テレビでやってくれて、もちろん吹き替えで観まして。 やや英雄主義的なところが気になるところやけど、まあ面白かったな。 ぶたこが言ってたけど、「まるでゲームのような展開の映画」っていうのがぴったりですね。 この前日、「千と千尋の神隠し」もテレビでやってましたな。最初の方だけ観ようかな、っと思ったんやけど、15分経っても本編が始まらへん(ハウルの動く城の宣伝をずっとしていた)ので、あきれて(というより腹が立って)観る気が無くなってしまいました。 (2004/12/14) 壬生義士伝(2003年:日本) 最近、映画館で映画を観てませんなあ。なんたって、映画は高いからね。2時間ちょっとで2000円かあ。それで面白くなかったら「金返せぇ!」って言ってもはじまらんわけやし。 映画館で観ようとする映画は、どうしても外国ものになってしまいます。はっきりした理由はないねんけど、なんとなく外国映画の方が面白いような気がするんですね。 今日、テレビで「壬生義士伝」をやってまして。なかなか見応えが有りました。 なんちゅうても主演の中井貴一がすばらしい。ぼーっとしてる田舎侍の顔と、厳しい剣士の顔を瞬時に演じ分けられるのは大したものです。この主人公に共感して、ずっと観てしまいましたね。 ただおしいのは、ラストの30分。なんか説明くさくなってしまってましたな。なんで死ななければならなかったのか、それぞれの理由を説明しなくても。人間の行動にすべて「理由」があって、それをわからなかったら気持ち悪いっていう人が多いねんやろなあ。 あとね、佐藤浩市が共演しててんけど、どうも「ビールをついでる人」のイメージがあってねえ。なんか観てて恥ずかしいというか、知ってる人が演技してるっていう感じが拭えないんですねえ。不思議と中井貴一は「カードを持ってる人」っていう感じがしなかったんですけど。それだけ演技力があるってことかいな。 (2004/12/31) スライディング・ドア(1997年:アメリカ=イギリス) 地下鉄のドアが閉まるのに、間に合ったか、間に合わなかったかで運命が変わってしまう。その両方を平行して描くっていう、変わった進行のラブ・ストーリーです。 ところで、これはイギリス映画でして。画面全体になんとなくイギリスふうなにおいがするのは、先入観やろか。どっかハリウッド映画とは違うところがあるんですよね。わたくしは好きなんですけど。 グウィネス・パルトローはかっこいいけどかわいいっていう役柄にはぴったりですな。「恋に落ちたシェイクスピア」でオスカーをとって以来、大当たりしていないような気がするのが、ちと心配なのですが。 (2004/12/31) A.I.(2001年:アメリカ) うーん。どうしちゃったんでしょうねえ、スピルバーグ。なんかやたらとお金をかけて、しょーもない映画をどんどん撮ってるって感じですなあ。 なんかねえ、最近のスピルバーグの色みたいやなあ。「マイノリティ・レポート」も、「ああ、これでおしまいか」と思ってから、さらにひと盛り上がりがあって、食傷気味になってしまったし、「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」も、最後にトム・ハンクスとディカプリオが仲良くなるところまで映画にせんでも、ストーリーとしては十分やったのに。「蛇足」っていうことばがしっくりくることばっかりやってるような気がする。 これ、元々キューブリックが映画化したかったんですよね。そういう先入観があるからかもしれへんけど、どうもキューブリック・タッチのようなものを感じてしまいました。で、ちょっとしただらだら感が始めっからあるんですなあ。 ほんでねえ、どうしてあんなにお金をかけたシーンを撮りたがるんでしょうかねえ。未来のラスベガス(?)のシーンとか、ロボット破壊ショーのセットとか。あんなん、映画の本筋というか、テーマとはあんまり関係あらへんのに。そういうシーンの多さが、映画の質を薄めてるよなあ。 もう少し話をしぼり込んで、テーマをはっきりさせて、何を見せたいかをはっきりさせて、映画を作ってほしいなあ。それだけの力はあると思うねんけど。スピルバーグ。 (2005/1/13) 七年目の浮気(1955年:アメリカ) マリリン・モンローの、スカートがめくれ上がるシーンだけが有名やけれど、この映画、ほんまにようできたコメディやと思います。 いろんなシーンが、無駄なくつながっていて、さすがワイルダー。ほんまにすばらしい。 テレビで見たので、きっと途中にカットもあったと思うなあ。できればノーカットで見たいところやけど。それも吹替えじゃなくてね。 (2005/1/30) 山の郵便配達(1999年:中国) 公開当時、新聞の批評などで評判になってたのは知ってたんですが。こういう地味な映画は見る機会がホントになくって(すぐに映画館でやらなくなってしまうので)。深夜でも、こうやってテレビで観られるのはほんとに嬉しいです。 1980年代の中国。山あいで郵便配達をする父親は引退することになり、跡を継ぐことになる息子と一緒に最後の配達に向かうんですね。3日かけて。はじめは息子だけで行くはずやってんけど、一緒に連れて行く番犬?が、父親と一緒に居ようとするので、仕方なく一緒について行くんですな。 父親はずっと配達の仕事をしていて、それが村々を歩いて回って行くので何日もかかるんですね。だから息子は、父親とはあまり一緒にいられなくて。「父に嫌われているのでは?」と疑っていたりもするんですね。 中国映画にはとんと疎いんですけど、父親役の俳優がほんとにいい味を出してました。仕事に誇りをもっているけれど、「こんな辛い仕事は自分の代だけでいい」と言ってみたり、そのくせ「息子になら安心して跡を任せられる」と言ってみたり。 山の郵便配達やから、ほとんどのシーンが山の中なんですね。それがまた美しくって。なつかしくって。ほんとにいい映画でした。 (2005/2/19) あずみ(2003年:日本) もう1週間になるのか。テレビで観てから。ずっと書こうと思っててんけど。 策士、策におぼれる、とまではいかへんけど。北村龍平監督って、キメの映像をたくさん知ってるって感じはしたなあ。とにかくいちいちの画面がほんまに「キマッテる」んですよね。それは戦闘シーンだけじゃなくて、岡本綾がススキ原の中に立ってるシーンとか。ひとつひとつが絵になってる。そういうシーンを撮る才能に溢れてるんやな。 でもなあ。映画ってそういう「かっこよさ」だけでは心に残るもんにはならへんねんなあ。 少年刺客たちは、そらもうめちゃくちゃ強くて、ほとんどの相手をばったばったと薙ぎ倒していくんですな。で、あまりにもそういうシーンが多いと、肝心の最後の殺陣のシーンが、その延長上に見えてしまって、「もうええでぇ」という気になってしまったな。 そういうストーリーの面白さとか、演出の深みとかよりも、映像の面白さだけを追及したんかなあ、って、思ってしまう。だとしたら、もったいない。とっても、もったいない。 (2005/3/12) インソムニア(2002年:アメリカ) 「インソムニア」とは、不眠症のことらしいです。舞台はアラスカ。殺人事件が起こりまして、ロス市警から敏腕刑事が応援にくるんですが、白夜続きで不眠症になってしまうんですな。 話の筋はまあ、おいといて。 無理があるといえば、殺人犯のキャラ。一体彼は「殺人鬼」だったのか?それとも、気の弱い人間の、追い詰められた犯行やったんか。ようわからずじまい。 で、そういうストーリーと背景がどうも一体になってない。風景だけは神秘的で、いかにも何かが隠れてそうな(人々の生活の中にも)雰囲気やのに。おしいなあ。いい俳優がいっぱい出てるのに。 ERでアビー役のモーラ・ティアニーが出てたな。宿屋の女主人役で。この人、いい味があるんやけどなぁ。ただ、同じ色に見えるところが気になるけど。 (2005/3/15) |
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