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エアポート'99(1998年:アメリカ・カナダ) 「エアポート」シリーズっていうのがあるねんなあ。「大空港」「エアポート'75」(チャールトン・ヘストンが主演したやつ)とかは覚えがあるけど、それ以降も作られてるって言う話は聞いたことがあるけど、実際に観たことはなかった。 テレビ大阪で放映されました。9月7日夜。何の気なしに観てたんやけど、こういうパニックものって、ついつい最後まで観てしまいますな。多分ハッピーエンドになるやろう、とは分かってても(^◎^;)。 社長の娘を乗せた旅客機が、落雷にあって機体に穴が開く。パイロット以下、大人はみんな失神して、さあ、この娘が一人でどうやってこの危機を乗り越えるのか。 とはいえ、結局最後まで観てしまったわけで(^◎^;)。ドラマ「24」にも娘役で出演している、エリシア・クースバート(わしはずっと、カスバートと読むと思ってた)がイイ感じ。親に反抗的で、でも実は愛情と思いやりがいっぱいあって、しかもヤルときゃヤル(^◎^;)っていう、映画にはありがちなキャラクターやけど、熱演してますな。この演技があって「24」にも抜擢されたのかも、と思うぐらい。もちろん、こちらの方がずっと(でもないか)前の出演なので、若い(^◎^)。溌剌としてますな。 パニック映画としては、そこそこかな。だいたい、最近は「パニック映画」そのものが下火になってるというか、あんまり面白くなくなってきてる。だいたいの筋書きは決まってしまってるからね。意外な展開にはなりにくい。 ひとり、コックピットで孤軍奮闘するエリシアと、管制塔のにいちゃんとの無線のやり取りが面白かったな。 「『エアポート'75』を見たかい? 同じようにするんだ。僕はチャールトン・ヘストンだよ」 そら、生まれてへんからね。 (2004/9/9) グッバイ・ガール(1977年:アメリカ) 子持ちの中年独身女性のラブ・ストーリーっていうのは、ひと昔前やと落ち着いたムードとかになってたと思うねんけどなあ。って、この映画はもうふた昔以上前の映画か。わしの感覚はどうなっとるんじゃ。 リチャード・ドレイフェスの印象って、ほとんど脇役っていうイメージやなあ。ジョーズとか未知との遭遇とか。あれ? どっちもスピルバーグやな(^◎^;)。この映画でアカデミー主演男優賞をとってるけど、これ以降、主演映画ってあったっけ? わしが知らんだけか。 確かにリチャード・ドレイフェスもええねんけど、もっと印象に残るのはルーシーを演じた子役(アカデミー賞の助演女優賞にノミネートはされたみたい)。映画っていうのは、子役で決まるのかも。子供が出てくる映画はね。トム・ハンクスの「めぐり逢えたら」も、子役の男の子がよかったな。などと、子役に思いがいってしまうのであります。 映画の内容は、というと、まあ昔からあるラブストーリー&サクセスストーリーみたいなもので、何か目新しいことがあるわけでもないねんけどなあ。そこここに出てくる台詞回しとかが、演劇とか映画とかに詳しかったらもっと面白いのかも。それがニール・サイモン(脚本)の楽しみかたなのか。でも、そういう予備知識とかなかったら、面白さも半減かも。シェイクスピアとかね。 ほんで、あれはハッピー・エンドと呼んでいいのかどうか。雨の中出かけていく男。それを見送る女。きっと帰ってくると、今度はホントに信じてる。信じることができる嬉しさ。それだけで良いのか。アメリカっていうところは、楽観的やなあ。ええ時代やったと言うべきか。 (2004/9/11) ザ・シークレット・サービス(1993年:アメリカ) ベテランのシークレット・サービスが、暗殺者から大統領を守ろうとする。ベテラン刑事にクリント・イーストウッド。暗殺者にジョン・マルコビッチ。 どうせ、「間一髪」で大統領は助かるんやろうっていう予想はつくし、ベテラン刑事に対する若手の風当たりとかが強くて、反発を買うけれど、結局はベテランの経験とカンが生きて、大統領は救われるっていうのも、ありがちなパターン。クリント・イーストウッドはあくまでもカッコよく(顔にシワは多いけれど、背筋はシャンとしてるし、はりきりすぎて息切れしてても、どっかカッコいい)、同僚の女性シークレット・サービスとよろしくなっていく。これもお決まりのパターン。 話の大筋は読めてしまって、それでもずっと観てしまったのは、ひとえにジョン・マルコビッチの殺し屋がカッコよかったから。殺し屋が「カッコイイ」とは穏やかでないけれど、映画の中ではクリント・イーストウッドを完全に食ってたな。 ベテランのシークレット・サービスに謎の人物からの挑戦状。こういうとき、映画では二パターンあって、謎の人物=身近な信頼できる人物だった。もうひとつは、全く面識のない異常者。前者はどちらかといえば映画の王道。後者は最近増えてきたパターン。ともかく「悪役」づくりに徹することが出来る。で、この悪役、ジョン・マルコビッチはその異常さにおいてまさにぴったり。その異常を、じつはCIAが作り上げたものだというおまけ付。こういう「スーパーマン」的なものが好きなのも、アメリカらしいというべきか。善人ならシュワルツェネッガー、悪人ならレクター博士か。マルコビッチのレクター博士か。観てみたかったかも。 というわけで、イーストウッドよりもマルコビッチを楽しむ映画でした。 映画の内容とは直接関係ないけど、「プラクティス」のボビー・ドネル役の俳優(ディラン・マクダーモット)が、イーストウッドの親友役で出てましたね。テレビでずっと見続けてた目で見てしまうので、どうも「弁護士が銃持って、走ってる」っていう風に見えてしまいました。テレビの仕事を長くやってると、こういう弊害が出てくるのかも。 それともうひとつ。イーストウッドの吹き替えはずっと野沢那智さんがやってるんやけど、画面の本人がここまで老齢に(失礼!)なってしまうと、声とのギャップ(べらんめえ調とか)が大きくなってくる。本人の声はすでに張りのない、逆に味のある渋い声になってる気がするねんけど。いつまでも「夕陽のガンマン」や「ダーティ・ハリー」ではないぞよ。 (2004/9/12) ボウリング・フォー・コロンバイン(2002年:アメリカ) 昨日、テレビでやってまして。観ましたがな。じっくりと。 去年、アカデミー賞をとりましたね。ドキュメンタリー映画賞。でも、これ、純粋なドキュメンタリーと言えるのかどうか。監督の主張がここまで前面に出てしまうとね。 たしかに、アメリカの銃社会を告発するっていう姿勢はえらいと思うけど。日本に銃がなくって(一応)よかったと思ったしなあ。 銃犯罪が頻発してることについて、「こんな見方をしたらどうや」という主張は面白い。画面のカット割りとか編集とかも凝ってて、2時間以上のドキュメンタリーを飽きさせずに最後までみせてしまううまさもあるな。 でも、はっきりいって監督が前に出すぎ。ほんまのドキュメンタリーを撮りたいねんやったら、監督はカメラの後ろに控えててもよかったはず。それをしなかったのは、純粋なドキュメンタリーとして、つまり真っ白なところから事実を積み上げて結論を引き出そうとしたのではなくて、自分の意見・主張をはっきり伝えたいがために映画を撮ったっていうことの証拠やね。それがええか悪いかは別問題として。 言いたいことをはっきり主張したいっていう思いが強くて、映画としての「あざとさ」のようなものは目についたな。小学生が射殺事件を起こした学校の校長先生にインタビューしたときは、感極まって泣き出した先生の肩をそっと抱いてるムーア監督。なんかあざとい。映画としていらないシーン。 一緒に観てたぶたこが、最後のヘストンとのインタビューが終わったあと、そそくさと歩いていくヘストンの後ろから「この写真を見てください!」と、射殺された女の子の写真を掲げるムーア監督が、わざとらしくて一番いややったと言うてたな。さすがぶたこ。というのは、よー考えたらあのシーン。去っていくヘストンと写真を掲げるムーア監督を同時に撮影するのは絶対無理。ということは、別々に撮ったシーンを編集したってことやね。そこまでやるか。 (2004/9/17) バージニア・ウルフなんかこわくない(1966年:アメリカ) 1966年のアメリカ映画。DVDで見まして。いやあ、こわい映画やったわ。「こわい」というのにはいろんな意味があるけど、見てるうちに何が何やらわけが分からんようになってしまう、こんな映画は初めてかも。 この映画を最初に知ったのは、ローレンス・オリビエとマイケル・ケインが主演した「探偵−スルース−」という映画で、映画についてオリビエが語った言葉の中に「いわば男だけで演じる『バージニア・ウルフなんかこわくない』だ」っていうのがあった。なんじゃそら。「バージニア・ウルフ」。当時はそれが作家の名前やとも知らんかった。 と思いつつ、見る機会は全然なかった。テレビでもやってくれへんし。そうこうしているうちに30年(!)。ついに見れましたがな。主演がエリザベス・テーラー、リチャード・バートンやというのも、ツタヤでDVDのカバーを見て初めて知った。わしの映画好きもええかげんなもんやな。 出て来るのは2組の夫婦。ほとんどその4人のみ。しかもずっと喋りっぱなし。ずっとお酒飲んでるし。4人とも。 こういうのは、純粋なスリラーとはいわへんのやろな。誰かが殺されるわけやないし。犯人あてでもない。謎を解いていく、解かれていくスリルというか、そういうのはあるけど。 派手なドンパチもCGも恐怖シーンも流血もないけど、こころにずしっとくる映画。こういう映画を作ってたんやな。昔のアメリカは。 (2004/9/24) アニー・ホール(1977年:アメリカ) 京都テレビで放送してまして。ときどきええ映画をやるんですな。このローカル局。 とにかくウディ・アレンがしゃべりまくる。のべつまくなしに喋ってる。このひと、もともとスタンド・コメディをやってたのかしらん。よく知らんねんけど。この映画でもコメディアン役。 映画のストーリーの展開や映像の斬新さには感心するけど、ひとつひとつのエピソードとかが、どうも昔のコメディ調。よくテレビのコメディで使うような手とチャウのん、と思ってしまう。それを切れ目なく見せてしまうところが、うまいっちゃあうまいねんけど。特に、ラストシーンは、ちょっとジンときてしまったな。アレ? いつのまにか感心してる(^◎^;)。ここらへんがこの映画の魅力なのか。ウディ・アレンのうまさなのか。 こまごました時間の切り貼り。時間も場所もあっちいったりこっちいったり。こういう手法はキライやないけど。でも、ちょっと教育テレビの「歴史なんとか」とかに通じるものもある。そういえば、全体にドキュメントタッチの映像も多かったな。アップが少ないのも含めて。 テレビでは二ヶ国語放送で。英語が堪能でないので日本語吹き替えで見ててんけど。ウディの吹き替え(羽佐間道夫さん?)は、ちょっとひどい。というか、ウディに合ってない。もっとうだつの上がれへん、神経質そうな声優はおれへんかったんかイナ。たぶん、この早口のセリフ(たぶん英語でも)に対応できる声優がそれほどはいないってことかな。 なんてことも含めて、この映画をほんまに楽しめるのは、相当な英語の理解力がある人と言うことになりそうな気がした。 (2004/10/4) ハリー・ポッターと賢者の石(2001年:アメリカ) 本じゃなくて映画の方ね。だいぶ前にテレビで放映したのを(第3作の「アズガバンの囚人」の公開直前)録画していたのをやっと観たってことで。 ほぼ原作どおりというつくりは、細部にもなかなか凝っていて、観ていて飽きひんかったな。CGも、この程度やったら許せるかなっていう範囲やね。アニメチックな(それも外国のアニメ)場面もあったけど。わしの趣味でいうと、「ロード・オブ・ザ・リング」より観やすかったな。 なにより、原作を読んでわくわくした場面が、現実に(現実とちゃうけど)目の前に繰り広げられるのは圧巻やったな。それは「ロード・オブ・ザ・リング」も一緒やねんけど、なんといっても「ノスタルジー」がありますがな。古い建物ばっかりやし。多分、現実にもありそうで面白いんやろな。中世の商店街とかね。どこまでもイギリスイギリスしてて、これがアメリカ映画やとは思われへんくらい。 ちょっとだけ吹き替えで観てみたけど、意味がよくわからへんかってもやっぱり原語の方がいいね。子供の吹き替えって難しいよね。子供だけやなくて、悪役(?)のスネイプ先生の語り口調とかは、英語で聞くと恐ろしいというより、格調高いって感じがした。 (2004/10/6) HERO−英雄−(2002年:中国) 10月10日、テレビでやってましたな。全米でも1位になったというので、観てみました。 話の内容は、秦王(後の秦の始皇帝)のもとに、ひとりの男が謁見するところから始まって。その男、秦王を狙う3人の刺客を倒して、その報告に来たという。その顛末を話し出すが、実は・・・。という話。話し手の、話の内容が二転三転して、それぞれの場面を再現するところは、「羅生門」にも似ている。実はどうなんや?というサスペンス。でもサスペンスの要素はやや薄いかな。 「東洋のマトリックス」とかいう宣伝文句があったらしいけど、そんなものと比べてはいかんなあ。あちらは「アクションのためのアクション」のような映画やった。「いかにワイヤーアクションの醍醐味を見せるか」みたいなね。でも「HERO」はほとんど「舞い」の世界ですな。はでなアクションを期待する向きには不満があるかもしれへんけど、あの殺陣の美しさは、アクションという言葉で片付けてはいかんような気がする。 それに、なんといっても「間」がたまらん。台詞も少ないし。役者が何もしゃべらず、じっとしてる場面も多い。その美しさ! それと、こういうことが、昔昔の中国には実際にあったんとちゃうか、実際にこういう剣士がおったんとちゃうかと思わせるところもあるな。なにしろ歴史が長いんやから。「妖術」とか出来る人間がほんまに居ったかもしれんしな。 考えてみたら日本かて、「歌舞伎」や「能」といった、独自の伝統芸能が(しかも長い歴史がある)あるから、こういう映画が出来そうな気がするねんけど。あ、時代劇がそれに近いか。忍者とか。 (2004/10/11) ラブ・オブ・ザ・ゲーム(1999年:アメリカ) ケビン・コスナー主演の野球映画。引退間近の名投手が、シーズン最後の試合で完全試合をめざす。 ケビン・コスナーの映画がどうして嫌かっていうと、どうしたって彼が一番かっこよく映されてしまうねんなあ。どういうわけか、それが鼻をつくくらいなんですね。普通にかっこええだけやったらどうってことはないんですけど。 さらに、音楽もいけませんな。しょっちゅう音楽が変わって、まるでMTVを何本も観ているような気になって来る。こういうの、最近の映画に多いような気がするんですが。なんとかならんもんでしょうかねえ。 (2004/10/17) TRICKトリック−劇場版−(2002年:日本) ドラマの【トリック】は面白かったな。いろんな仕掛けというか、オタクっぽいところがあって。 つまりはこの話、テレビ向きであって映画向きではないってことですかね。そういうドラマもあるんやということがわかって勉強になりましたけど。 (2004/10/18) |
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