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【めぐりあう時間たち】(2002年・アメリカ) |
【たそがれ清兵衛】(2002年・松竹) |
たそがれ清兵衛(2002年・松竹) 日本映画も頑張っているのだ 去年(2006年)の年末に、ノーカットでテレビ放映された。アメリカ・アカデミー賞でも「Twilight Samurai」という題名で(なんというぴったりとした英訳)外国映画賞にノミネートされている。 江戸末期、城勤めの侍清兵衛は、妻の死後、ボケはじめた母親と二人の娘を育てながら暮らしている。暮らしは逼迫しており(妻の葬儀にお金をかけすぎた)、同僚と飲みに行くことさえしないし、着ているものも着た切り雀というありさま。 平穏な暮らしをしたいのに、否応なく血なまぐさい仕事を引き受けなければならない(その上自らの命を危険にさらすはめになる)侍の悲しさ。時代の苦しさのようなものが前面に出ていて、ああ山田洋次だなあと思ったな。でも今まで見た山田作品のような説教臭さや説明臭さがなく、とっても気持ちよく見れた。 山田洋次監督の初の時代劇なんだそうだけど、この監督、現代劇よりも時代劇の方が合ってるんじゃないかと思うぐらい、ぴたっとはまった映像だと思う。 毎年年末になったら(年始も含めて)映画をノーカットで放送してくれたりするんだけれど、最近は洋画ばっかりではなくてこういう邦画もやってくれて、それがなかなかよかったりするんだなあ。 この年末年始、かためて映画を観ている。といっても古い映画ばっかり。つまりはDVDで買ってきたもの+テレビで放映されたものなんだけど。それでも映画はやっぱり楽しい。 (2007/1/2) めぐりあう時間たち(2002年・アメリカ) 見る度に違って見える映画 年末年始にいっぱい映画を観て(DVDとかテレビ放映とかだけど)、その感想を順繰りに書いていこうと思っていたのだが、それは全部すっ飛ばして(いつか書くだろうけど)昨日観たこの映画のことを書きたくなった。それぐらい心にズシンとくる映画だ。 感動したとか面白かったとかなんていう言葉よりも、「ズシンときた」という表現がぴったりくる映画だ。悲しくて涙を流すとかいうこともないし、お腹を抱えて笑うこともないけれど、本当に心にくる。心臓の深いところに熱波を受けるような感じ。 3つの時代の3人の女性の、それぞれの1日の物語。「ダロウェイ夫人」を書こうとしているヴァージニア・ウルフ、夫の誕生日の準備をするローラ、エイズの友人の書いた作品の、受賞記念パーティーを開くクラリッサ。 最初、劇場で公開されたときに観たのだ。そのときも映像の見事さ、物語の見事さに「ズシン」ときたのだった。なんというか、一種「完璧なものを観た」という印象。 分かる、っていったけど、ほんとに分かってるのかどうか、はもっと後にならないと分からないのだな、実は。 最初劇場で見たときは、この話はちょっとSF的というか、ヴァージニア・ウルフの書いた「ダロウェイ夫人」が、後の世の誰かの人生に影響を与えていく(それも何世代かに渡って)という不思議な力を持っていたのではないかという、そういう話しにとれたのだな。 そして。DVDで改めて観たら、全く違った物語が浮かび上がってきた。それぞれの人生の物語。3人の女性のそれぞれの苦悩。ここは自分の生きる場所なのか。これが自分の人生なのかという不安。 ううむ。なんともまとまりのないことになってしまったなあ。とにかくこの映画は、僕が今まで見た映画の中でもトップクラスに入るくらいに心に残る映画なのだ。その結末の不思議さや、物語の悲しさを含めても。 言い忘れていたけれど、この音楽がとってもいい。フィリップ・グラスお得意のミニマムミュージックなんだけど、それが心の不安(とともに、ある種の希望)をかき立てていくようで。 (2007/2/11) |
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